円安や燃料費の高騰により、電気代は前年比で1〜2割上がっています。
それに加えて原発再稼働の懸念から、電力需要のひっ迫も予想され、政府からは「節電ポイント」なる制度も施行するようです。
いづれにしろ私たち消費者は節電が必要であることに違いはありません。
「電気代も気になるから普段から節電しているけど、実際どれくらい効果があるの?」という人は多いと思います。
そこで今回は、家庭用の電力計をご紹介します。
簡単に電力使用量が測定できて、いくら電気代がかかっているのか一目瞭然です。
機種によって価格や機能は様々ですので、ご自分に合ったものが見つかるように解説していきます。
電力計の基本的な機能
電力使用量の測定
瞬時値である消費電力(W)、そして累計値である消費電力量(Wh)を測定することができます。
これらは電圧(V)と電流値(A)から算出される値です。
"今"どれだけ電気を使っているのかを知りたい場合は消費電力(W)、または電流値(A)を確認しましょう。
一方で"今月"や"今日"など、一定期間にどれだけ電気を使ったか知りたい場合は消費電力量(Wh)を確認してください。
電気代に換算
電気代は測定した消費電力量(Wh)に電力量単価(円/kWh)を掛け合わせて算出されます。
電力量単価(円/kWh)は、地域や契約している電力会社、契約プランによって変わりますが、26.41円/kWh(※)に設定しておけば近い数字になります。
正確に計算したい場合は、まず、電力量単価の設定が変えられる機種を選ぶ必要があります。
その上で、電力会社からの請求書を確認し、適切な単価を設定してください。
※2022年12月時点の東京電力「従量電灯B」120kWhをこえ300kWhまで(第2段階料金)の料金(26円48銭)を参考にしています。
[st-card-ex url="https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/old01.html" target="_blank" rel="nofollow" label="" name="" bgcolor="" color="" readmore=""]
CO2排出量に換算
CO2排出量(kg)は、使用した電力を発電するために排出された二酸化炭素の量を表します。
したがって消費電力量(Wh)にCO2排出係数(kg-CO2/kWh)という値を掛け合わせ算出されます。
この値は電気を供給する電気事業者(東京電力、関西電力など)によって異なりますので、厳密に計算したい場合は、環境省が発表している「電気事業者別排出係数一覧」を参考にしてみてください。
[st-card-ex url="https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/calc" target="_blank" rel="nofollow" label="" name="" bgcolor="" color="" readmore=""]
モニター
消費電力(W)、消費電力量(Wh)、またそれらに付随する換算値を数字やグラフで表示します。
本体ディスプレイに表示、Bluetooth接続でスマホに表示、またCSVファイルに出力できるもの、Wi-Fi経由だと遠隔で表示できる機種もあります。
設置場所や目的、価格が合ったものを選びましょう。
遠隔での電源ON/OFF操作
BluetoothやWi-Fiを使用するものは、家の中のどこからでも、あるいは外出先からでも遠隔で電源のON/OFFを操作ができる機種があります。
また、タイマー機能で特定の曜日や時間帯など、設定した通りに操作させることも可能です。
ただし、この機能をメインに使いたいのであれば、より多機能なスマートプラグを検討するのもありです。
コンセント型電力計のタイプ
簡易電力測定
今どれくらい電気を使っているのか、あるいは特定の期間でどれくらい使ったのかを測定できるタイプです。
消費電力、消費電力量、電流、電気代はほとんどの機種で測定できます。
機能や操作はシンプルで、価格も1000~2000円程度と安価なものが多いです。
データ蓄積・出力機能付電力計
消費電力、消費電力量、電流、電気代などの測定機能に加えて、データを蓄積しCSVファイルなどで出力する機能を備えます。
取得したデータを比較、分析する際に役立ちます。
スペックをよく確認し目的に合ったものを選定してください。
もし論文のデータなど正確でより細かいデータが必要な場合は、コストは上がりますがデータロガーやオシロスコープを検討してみましょう。
スマートプラグ
消費電力を測定できるものは多いですが、メインの使用用途はスマホやタブレットと家電製品をリンクさせて便利に使うことです。
具体的には遠隔操作、音声操作、タイマー、トリガーの設定など。
操作や設定もやや複雑になるため「消費電力だけを知りたい」という場合は向かないかもしれません。
機能が充実している分、コストも高いのでは?と思いきや、最近は安価な海外製のものでも高性能な機種がたくさんあるため、試してみる価値があります。
価格は2000円程度ですが、複数購入する場合はお得なセット商品を選ぶといいでしょう。
おすすめの電力計5選
プラグミニ(JP) / スイッチボット(SwitchBot) スマートプラグ
機能性が高く価格はリーズナブル
消費電力のモニタはスマホアプリ、また外部にデータ出力も可能と十分な機能です。
スマホを介して、家電とリンクします。BluetoothとWi-Fiが備わっており、遠隔操作、音声コントロール、スケジュール機能、別売りの開閉センサーと連帯すれば家を出た時に家電を一斉にオフにすることができ、利便性向上と省エネにも役立ちます。
電力計としてはオーバースペックですが、あらゆるものをスマート家電として利用できる画期的な製品です。
電源プラグの片側(N極)が幅広となっているため、コンセントではなく電源タップを使う場合は刺さるかの確認が必要です。
エコチェッカー ET30D / Revex(リーベックス) 簡易電力測定
シンプルで最低限の測定機能を備えた安価な簡易モデル
ECOボタンを押すだけで、6種類(消費電力/積算使用時間/積算電気料金/1時間当たりの料金/積算使用電力量/積算CO2排出量)の節電情報が簡単に測定できます。電気料金が変動した場合は電気料金率(1KWhあたり)を簡単に変更可能です。
比較的安価で使い方はシンプル。グラフ表示や外部へのデータ出力はなく、詳細なデータの収集には向きません。
エコキーパー EC-05EB / ELPA(エルパ) 簡易電力測定
操作性も良く簡易的な電力測定には最適
接続した電気機器の使用時間、積算電気料金、1時間あたりの電気料金、瞬時電力量、積算電力量、CO2排出量を測定できます。見やすい大型LCD表示で、操作も簡単。電気料金単価を自由に設定可能です。
こちらもグラフ表示や外部へのデータ出力はなく、詳細なデータの収集には向きません。
Bluetoothワットチェッカー RS-BTWATTCH2 / RATOC Systems(ラトックシステム) データ蓄積・出力機能付電力計
消費電力の測定・データ収集に特化
Bluetoothでスマホに接続することにより、アプリ上で消費電力のほか、電圧、電流、消費電力量、計測経過時間の測定、記録が可能です。またそれらの値からCO2排出量や電気料金のデータを算出します。
専用アプリではリアルタイムデータ、累計データのグラフ表示、そして記録されたデータはCSV出力にも対応しています。
測定、データ収集に強みがありますが、価格が高めなのがマイナス評価。
スマートプラグ WP6-1 / Gosund(ゴウサンド) スマートプラグ
安価で多機能の高コスパ
スマホアプリで家電の消費電力をリアルタイムで確認できるのはもちろん、遠隔操作、スケジュール・タイマー設定、音声コントロールにも対応。Wi-Fiでスマホに接続することができます。
低価格のため、家の中で複数設置して様々な機能を使いたい方にはピッタリです。
海外製の専用アプリがうまく機能しないことがありますが、代替のもので問題なく使えるとのこと。
電源プラグの片側(N極)が幅広となっているため、コンセントではなく電源タップを使う場合は刺さるかの確認が必要です。
まとめ
家庭で簡単に使える電力計の基本的な機能、電力計のタイプ、おすすめ5選をご紹介しました。
目的に合ったものは見つかりましたか?
節電を目的としているにもかかわらず、高価なものを購入しなければならないのであれば本末転倒です。
嬉しいことに最近では機能が充実したものでも2000円以下で購入できます。
電力計以外の新しい使い方も含めて、購入を検討してみてはいかがでしょうか。